インテリア建築医学の視点

人は、一日のうち大半を建物の中で過ごします。
住まい、学校又はオフィスなど、その建物の場の状態が心身の健康に影響を与えています。
人は環境により作られます。
環境免疫学では、心身は住まいと共鳴していると考えます。
脳科学の分野でも報告がされていますが、空間の生命場と人の心、身体の部位とは対応関係にあることがわかっています。
玄関、リビング、寝室は特に考慮が必要です。
地磁気の影響も大きいですが、脳細胞の中にある磁石は空間の磁場と共鳴しています。
そこで、有害化学物質、超低周波、人工電磁波、そしてコンクリートを住空間に持ち込むと身体に変調をきたす(脳へのダメージが大きい)ため、一番始めに考慮しなくてはいけない点です。
また心理的な子供の犯罪、又は生活習慣病などは、決して住まいと無関係ではありません。
学校の建物をデザインを意識して改装したら、生徒の成績が伸びたというデータ報告もあります。
五感は、情報として脳に影響を与えます。
色彩、照明、音、素材、光、形、広さや間取りなど、様々な要素が組み合わさり、場が形成されます。
健康配慮は当然ですが、現在の健康住宅は、素材の安全性重視のみで住みやすさ、使いやすさやデザイン性に対して無頓着な場合が往々にしてあります。
自然素材を使用した家=健康住宅と考えられていますが、本来は自然の力を最大限活用する事で、住まうかたの自律神経を整え、体温と免疫機能を高めるのが健康住宅です。
近年、低体温の子供たちが増えています。低体温になると、免疫力は低下して、アレルギー症状も出やすい環境になってしまいます。
不自然な室温変化を起こすエアコン等の冷暖房器具に極力依存せず、通気と断熱性能を高め、調湿建材を活用し、太陽の光や風を活かす等、可能な限り自然の力を活用することが大切です。
その上でデザインが人の心身に与える影響は想像以上に大きいのです。
例えば、色彩的にも無難な白色系の壁紙は、楽しい気分になれず抑圧的な感情が湧きあがってきます。
ですが、そこにお花やグリーンの絵画、デザイン性の高いオブジェがあると楽しい気分になりますね。
例えば色彩、インテリア建築医学において、特定の疾患を癒す色彩と取り入れる場を考慮します。茶色の書斎は、脳梗塞を癒す、橙色の浴室は肝臓ガン、肝硬変を癒すなど。
そして、免疫力を高めるには、左右の脳を均等に刺激することが大切です。
結果、良い刺激、美による心地良さが発生します。
住まいは、当然家族形成、コミュニケーションの場であり、大切な子供を育てる場でもあります。
心身共に健康で豊かな住まいを目指して、脳と身体と環境のつながりを考慮し、免疫力を向上させ活性化させる場を形成する手法全てが、インテリア建築医学、環境免疫学の視点です。
心身の健康と住まいの関係を考えてみてはいかがでしょうか。
